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Journal InTime


2013-07-02 (Tue) [長年日記]

_ NaClってどんな会社?

Rubyistが楽しく働ける会社は日本でC社くらいじゃないかという話をTwitterで見かけて、Twitterでは自虐的な発言をしていたのだけど、誤解されそうなのでちゃんと書いておく。

C社との比較は置いておいて真面目な話をすると、最近弊社への採用応募が減っているという残念な事実がある。 とくに県外から松江に来たいという人が格段に減っている。 Uターン希望者を除くとほとんど0に近い気がする。

一つにはRubyで仕事をできる会社が増えたことがあると思う。 僕が就職を考えた時(15年くらい前)は一社くらいしか選択肢がなかったけど、今ならRubyアソシエーション認定SIerだけでも90社近くある。 これ自体は喜ばしいことだと思うし、止められるようなものでもない。

もう一つの理由は、NaClがどんな会社なのかわからないということがあると思う。 昔はそれでも、「他にRubyやってる会社もないし、ちょっと覗いてみよう」という感じで応募があったんじゃないだろうか。 NaCl公式の見解ではないけど、この機会に僕個人の考えを簡単にまとめておきたい。

何をやっている会社なの?

簡単に言うとほとんど受託開発(お客さんから依頼があったシステムを開発して対価を得るお仕事)でやっている。 それも旧態依然とした一括請負が多い。 普通のSIerというのがどんなものかわからないけど、たぶんそんなに平均から外れてないと思う。 開発言語はRubyが多いけど、C/C++/C#だったりすることもある。一部、COBOLを使っている部署もある。

たまたまRuby開発者が数名在籍してるけど、Rubyの開発自体は会社の業務というわけではない。 就業時間中にRubyの開発をすることも許されているけど、Ruby開発者への仕事のアサインが特別に減らされているわけではない(まつもとさんを除く)ので、その点もそんなに特別というわけではない。

会社の雰囲気は?

とくに会社のビジョンのようなものはないけど、何となく楽しく開発しようという雰囲気はあるかな。 人によっては物足りないと思う人もいるかもしれないけど、僕みたいにいい加減で人に縛られたくない人間には居心地はいい。

僕の部署にどうしても偏ってしまうけど、メンバーの傾向としては、技術的な向上心は高いけれど開発プロセスなどにはそれほど興味がないような人が多いように思う。 「顧客にとっての価値を高めるんだー」というよりは、「自分なりにもっといいものを作りたい」という雰囲気の人が多いんじゃないかな。

あと、多かれ少なかれオタク的な要素がある人が多いと思う。 別に言語オタクとかアニメオタクだけじゃなくて、釣りとかバイクとかそういうのも含めて。 僕も含めてあんまり社交的なタイプではない人が多いけど、仕事の場ではそれなりに話すし、好きなことに関しては親しい人とはよく話すかもしれない。 でも会社でみんなで雑談するのは昼休憩の時間くらいで、他の時間はディスプレイを見てにやにやしてる感じかな。 昔は席が隣同士でも社内IRCで会話してたけど、最近はTwitterとかになってるのかも。

敷居が高いのでは?

意外とそうでもない。 FizzBuzzを自分で考えて解けるくらいのスキルがあれば採用試験は通ると思う。 どちらかというとスキルよりも、プログラミングが好きかどうかと、素養があるかどうかを見ている。 逆にいくら優秀でも、大学の授業でしかプログラムを書いてませんという人はちょっと辛い。 あと、Rubyに興味があって応募しましたと言いながら、Rubyを触ったこともない人とか。 興味があるなら触ってるはずですよね?

ただ、入社後に充実した研修制度みたいなものはないので、周りの人に聞きながらがんばって自分で勉強してもらう必要がある。 Rubyについては、たいていのことは社内のだれかに聞けばわかると思う。

あと、社員の中でもGC周りをデバッグできるような人はごく一部なので、どうしようもない時はGC.disableしてもらっても構いません。 僕が入社してすぐの頃は、アプリケーションの開発よりも、開発中に出て来るRubyのバグを直してる時間の方が長いこともあったけど、最近はそういうことはあまりなくなったと思う。

労働条件は?

採用情報のページに色々書いてあるので、興味があったら覗いてみてください。

他に何か知りたいことがあればコメント欄か会社の問合せフォームでどうぞ。

大事なことを書き忘れてたので追記。

NaClってまつもとさんがいた会社でしょ?

たまに勘違いされてる方がいますけど、今もいます!

採用応募が減ったのは、この影響が一番大きいのかも。

まつもとさんの肩書が増えたので大分印象が薄くなっていると思うけど、まつもとさんが会社にいる時間はうちが今でも一番長いんじゃないかなあ。 ただ、何となく話しかけづらい雰囲気があるようで(別に気難しいとかじゃなくて多忙な方なので)、ちゃんと話したことがないという人も社内にちらほらいるようだ。

僕自身も、feature requestをRedmineでするようになってからはあんまり会社でまつもとさんとRubyの話をしてないかもしれない。 直談判するのは何かずるい気がして。

Tags: 仕事